印鑑文化の普及

印鑑イメージ

中国では、約3500年ほど前に、生まれた印鑑。
日本では「漢倭奴国王」の金印が有名ですが、実際に人々の間に広まり始めたのは大化改新のあとだと言われています。
平安時代に独自の印鑑文化の基礎を成し、江戸時代に入ると文化や商業の発展とともに印鑑は一般庶民の経済活動にも関わるようになっていきます。
民衆の間で印鑑が広く普及し始めたのです。

明治時代になると諸制度の改正や整備と共に印鑑制度が設けられるよになりました。
実印が押されていない公文書は、裁判上の証拠にならないという布告がされたのです。

日本の印鑑制度はこうして定着していったわけですが、また、経済や商業とは一線を画する分野でも印鑑は活躍していたのです。
それが書画などの東洋独特の芸術的作品でした。
書画に押される印は「落款」と呼ばれています。
落款は、書画の画面を引き締める意味で、空間の一部などに署名を記入し、その下に押される場合がほとんどです。
また、落款は通常の印鑑のように、その書画が間違いなく本人によるものであることの証明でもあり、贋作の防止や鑑定にも一役買っています。
使っている落款で作品を描いた時代がわかることもあるのだとか。

また、印鑑とは異なりますが、署名の代わりに使用される記号・符号に「花押」があります。
元々は、普通に署名されいたものが、他者と自分とを明確に区別するため、次第に自署が図案化・文様化されていったものです。
花押は、主に東アジアの漢字文化圏で見られるもので、8世紀頃の中国の唐の時代に発生したと考えられています。
日本では10世紀頃の平安時代中期に用いられ始め、江戸時代まで盛んに使われていました。

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